子宮蓄膿症
子宮に膿がたまる病気で、避妊していない雌でしばしば発生します。
特に犬では多く遭遇し、年齢を重ねるにつれて発生率は高くなります。
発情出血後1〜2か月で、子宮の免疫が落ちる期間に多く発生します(黄体ホルモンが深く関与しています)。
症状としては、元気食欲低下、発熱、多飲多尿、腹囲膨満などがあり、陰部からたまった膿が漏れ出てきて気づくこともあります。
身体検査、血液検査、レントゲン、超音波検査などで確定診断します。
超音波検査では子宮がどれだけ拡張し液体を含んでいるかを確認し、蓄膿症が疑わしいのかどうか判定します。
治療の第一選択は外科手術による子宮の摘出で、順調に手術と術後管理が進めば完治が見込めます。ただし、状態にもよりますが周術期の急変リスクは比較的高いため慎重な管理を行うことになります。
外科摘出は行わず抗生剤を主体とした内科管理を続ける治療法もありますが、治療が長期間にわたる上、完治しない可能性もありますので、やはり第一選択は外科摘出になります。
時には致命的になりうる病気ですので、早い年齢での避妊手術も検討されると良いでしょう。